生肉の提供、取り扱い方法~罰則付きの法規制へ~
焼肉チェーン店における腸管出血性大腸菌食中毒事件を受け、厚生労働省の食中毒・乳肉水産食品合同部会は、食肉処理業者に対して生食用牛肉を提供するには肉表面の加熱処理を義務付ける等の食品衛生法に基づく罰則付きの規格基準案(2011年10月施行予定)を大筋で了承しました。そこで今回は、この新たな規格基準案に基づく生肉の取り扱い(下記Point1参照)などの最新情報をお届けします。
【Point 1】
罰則付きの新基準案:「生肉表面の加熱を義務化」
生食用牛肉を提供するには肉の表面から1cm 以上の部分を60℃ 2 分以上加熱することが義務づけられるようになります。また、生食用の原料となる肉は、解体した枝肉から切り出したものと規定され、ほとんどの飲食店では生食用に加工出来なくなり、食肉処理業者から加工済みの肉を購入することになります。
【Point 2】
牛の生レバー提供「自粛」→「禁止」へ<怖いカンピロバクター>
厚生労働省は生肉の取扱い規制に加え、生食用の牛のレバー(肝臓)の提供を食品衛生法で禁止する検討も始めています。その背景として、牛レバーはカンピロバクター属菌によって汚染されており、菌は表面だけでなく内部にもいることがあげられます。
カンピロバクターだって怖いんです!
生肉で怖いのは腸管出血性大腸菌だけではありません。カンピロバクターは少量の菌で食中毒を起こし、子供や高齢者の場合は重症化しやすく、ギランバレー症候群を発症することもある怖い病原微生物です。腸管出血性大腸菌と同様、十分な注意が必要です。
(2011.07.19 更新)