ニイタカ衛生通信臨時号
細菌性赤痢に要注意!!
【ファミレスGで食事した14人が赤痢感染 東北などの店舗営業自粛】
宮城県は8 月31 日、外食大手Sが経営する東北4 県のファミリーレストランGで食事をした14 人が細菌性赤痢を発症したと発表しました。8 月20 日以降に発症して8 人が入院し、全員からゾンネ赤痢菌(以下、S.sonnei )を検出しました。県は各店舗に食材を提供した食品工場を立ち入り調査し、同工場が提供した食品が原因の食中毒と断定。31 日から3 日間、営業停止処分としました(河北新報 2011 年9 月1 日より抜粋)。
国内での赤痢菌食中毒事例は少ないですが、感染力が極めて強く、一度でも食中毒を起こすと大規模な事故に繋がる恐れがあります。今回は細菌性赤痢(病原体:赤痢菌)の主な特徴、予防策等をご紹介します。
【特徴(遺伝子型・症状)】
赤痢菌には、ゾンネ赤痢菌を含む4 菌種(下記①~④)があります。赤痢菌の潜伏期間は通常1~3 日で、発熱や下痢の他、大腸で潰瘍を形成して腹痛や粘血便等の症状を示します。
【感染経路】
主な感染経路は経口感染で、患者や保菌者の糞便、それらに汚染された手指・食品・水・器具等を介して伝播します。
【予防策】
赤痢菌は個人の衛生管理の実施がポイント
赤痢菌には、通常の食中毒菌と同様加熱処理、アルコールなどによる消毒が有効です。但し感染力が強い(少ない菌量で感染する!)ので、従業員の皆さんが調理場内に赤痢菌を持ち込んで食材を汚染したり、他の従業員を感染させないことが重要です。その為には、手洗いを中心とした個人の衛生管理の実施を筆頭に、二次汚染防止やトイレ清掃を徹底することが必要となります。
(2011.09.02 更新)